I君のあっと言う間の住宅購入物語

 

第2章 この物件どう思う? #01

 
10月中旬、 I君が家のことについて電話をかけてきた。
 
I君:さっき物件を見てきたんだけど、この物件どう思う?
プロフィール
東急東横線沿線○○駅 徒歩 3分  15坪( 50㎡) 建築条件付 4500
スギヤマ(以下ス):どうって…、買って良いと思うかってこと?・・・・ダメだと思うけども。
I君:そうなんだ。やっぱり良くない?
ス:良くないというか…じゃぁ、どこか良いと思ったところがあるんでしょ?どんなところ?
I君:駅が目の前。建築プランの図面を見せてもらったんだけど、リビングが 17畳もある。その周辺の新築マンションの約半値。
ス:それだけ?
I君:まぁ…
 
住宅購入を考え始めて間もなくはワクワクしながら、なんとなくモデルルームを見に行ったり、なんとなく土地を見てみたり、何から始めたら良いか分からないため、多くの方がこのような感じではないだろうか。
 
いわゆる「とりあえず…」
そして、「なんとなく」を取り留めなく続けていくうちに、買える良い物件が無いと悲観し、時間ばかりが過ぎてしまうようで焦り、結果的には疲れ果て、最初は営業マンのビジネストークも敬遠していたのに、こんなもんだろう…というところで手を打つ。一生に一度、有るか無いかの大金を費やすのにも関わらず。
 
I君がこのように流れていかなかった理由はただひとつ。「スギヤマにちょっと聞いてみよう」と思ったから。
 
なお、スギヤマからのダメ出し理由は以下の通り。物件そのものどころか販売チラシさえ見ずに判断できてしまう。
 
  • 駅徒歩3分 → 商業地域。そもそも住環境に適した用途地域ではない。自宅兼店舗等、建物に住宅以外の機能を持たせる場合以外、おススメしない。
  • 15坪(50㎡) → いわゆる狭小地での設計は、採光や通風、動線や間取りなど、十分に検討しなければ、住み心地の良い住宅にならない。
  • 建築条件付 → 上記に記載の通り、狭小地での設計は優れた技術を持った建築家でも容易なことではない。にも関わらず、業者の規制・条件が付いていたら、ろくな建物にならない。また、建築条件=建築会社との提携 つまり、不動産業者と建築会社が手を組んで利益を上げようとしている土地と言える。金額に対する不透明感が拭えない。(詳細はコチラで)
  • 周辺のマンション価格の半値 → 営業マンの売り文句。そもそも土地とマンションを総額で単純比較しても全く意味がない。(意味がない理由はコチラで)